廃業した漫画家が、会社員になって家計を再生するのだ

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【お金】漫画家の原稿料いくらもらえるの?

20年前と変わらぬお値段

私がデビューした1999年の時点で、4コマ雑誌における原稿1枚の原稿料が8000円。

 

前述の、当時45歳の大御所4コマ漫画家さんに「“20年前と変わらぬお値段です”だねぇ」と、竿竹売りとからめて失笑される。

 

彼女がデビューした当時(私がデビューした1999年の、さらに20年前)も、まったく同じく8000円だったそうだ。

 

 ページ単価が高くなりすぎるとよくない

そのときすでに漫画業界が斜陽だと言われていたのもあるけど、もうひとつには、

 

「手塚治虫先生が原稿料を上げるのを嫌ったせいで、後出のほかの漫画家の原稿料もなかなか上がらないシステムになってしまった」という要素もある、とのこと。

 

なぜ原稿料が上がるのが好ましくないかというと、あまりページ単価が高くなりすぎると、連載を依頼されにくくなるから。雑誌の予算というのは決まっているので、高い作家さんばかり揃えるわけにはいかない。

 

 

私の話に戻るが、デビュー作の4コマ連載が3年半くらい続き、2年めくらいの時点で編集者と行き違いがあり、その「お詫びとして」って感じでページ8000円から9000千円にアップ。

 

その後、4コマ連載中に別出版社から依頼があり、ストーリーもので隔月刊連載を開始。このときスカウトされた出版社に「今はページ1万円もらってますぅ~」とちょっと色をつけて申告。そのまま通った。ので、その会社ではページ1万円になる。

 

のを、元の出版社に伝えたら、そちらでもご祝儀っぽく1万円にしてもらえた。

 

ちなみに、この「色をつけて言ってみる」ってのは、デビューした元の編集部の入れ知恵。(ありがとうございます)

 

元の編集部は、私が4コマであんまりページがもらえないから、食えないのを心苦しく思ってくれていたみたいで、いろいろ業界内の渡り歩き方を教えてくれた。

 

 

ページ単価が上がらないほうがいいなんて、売れてる作家さんだから言えることで、食うや食わずやだったその時の私にとっては、とにかく少しでも収入が上がったのは「助かった」という感想だった。

 

 

 原稿料は上がることもある

これが後に自分の首を締めた……、かというとそうではなく、その程度の(低いレベルでの)1000円、2000円はさほど大したことはないみたい。

 

アシ先の大御所45歳の先生は、その当時ページ2万5000円だそうで、「これ以上あがったらヤバいかも」と危機感を覚えてらしたみたい。ちなみに2万5000円は当時4コマ雑誌では最高レベルだそう。

 

ジャンルの違う売れっ子作家さんや、殿堂入り作家さんみたいなのがゲストで描くときは、3万円とかの場合もあることはあるらしかった。

 

ちなみに、どーでもいい話なんだけど、当時の編集者に言わせると、「ページ1“マン”円になって、初めて“マン”ガ家と呼べる」みたいな、冗談みたいな言い伝え(?)、ランク付けみたいなのがあった様子。

 

たんなる言葉遊びだとしても、「これで初めて一人前の漫画家」とか言われて、嬉しかった。

 

 

いちおう私は「青年漫画」のジャンルの雑誌で書いていて、少女漫画とかはもっとずっと低いとのこと。

 

某、私が持ち込みしたことのある少女漫画雑誌だと、デビュー作はページ3000円。2作目からは6000円もらえるシステムとのことでした。

 

ページ数って、漫画を読んでるだけの人だとあまり意識してないと思うけど、4コマ雑誌で1作、平均4~6ページ。週刊漫画は約20ページ。月刊は約30ページ。

 

一般的な月間の4コマ雑誌だと、4誌は掛け持ちしていないと食えない。

 

月刊の30ページを1人で描けたとして、やっと食える感じ。

 

週刊はアシスタント数名入れないと1人ではふつうは描ききれない。が月産80ページになる計算。このへんはほんと事情は多岐にわたる。

 

連載準備金、というものが渡されて、描きためる期間がある雑誌もあるとか。

 

で人気が出ないと切られて、単行本も出ず、借金を抱えるケースもあると聞く。そこまでは私はやってらんないなぁ。

 

 借金してまで漫画家……、けっこうあることみたい

実際(というか)、漫画家やってるときに、絵がヘタだけどお話づくりはそれなりに編集者から褒められていて、漫画編集の知り合いの書籍系の編集者に「文章の仕事をしてみない?」と誘われたことがある。

 

けっこう本イキで計画が進んだんだけど、300ページくらいのハードカバーの書籍を出すってことだったので、書いてる間の生活費は「ローンとかで借りてもらうしかないですかね」とその書籍部の編集者に言われた。

 

いやいや、フツーに言うなよ。そんなこと。

 

でも、それがまかり通る世界なのだろうな。

 

本を出したい人って、いっくらでも掃いて棄てるほどいるんだ。

 

 

自分はそこまで飛び込めなかった。

 

飛び込んだほうがよかったのか、わるかったのか、わかりません。

 

ここにこうしていれることができたのかどうかも。

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