校正者(校閲者)がすすめる説得力のある文章の書き方
漫画家としてデビューする前に、校正のアルバイトをしていました。
校正専門の会社があって、事務所に送られてきた原稿やゲラ刷りを読んだり、
出版社に出向いてデスクを借りて校正したりしてました。
ブログや、会社員としての公式文書を書く上で、
校正基準がけっこう役立ってくれていると感じるので、
コツを公開いたします。
ちなみに、朝日新聞の用語の手引きと記者ハンドブック、日本語の正しい表記と用語の辞典なんかを使っていました。
これらの内容は部分的には違いますが、根幹は似ており、
だいたいは頭に入れて、たまに迷ったときに読み直します。
いい文章というのは、記事によって臨機応変になりますので。
見やすい文章のコツ1
動詞・名詞は漢字で。副詞・形容詞はひらがなで。
「だいたいは頭に入れて、たまに迷ったときに読み直します」
この文章を例にとりますと、
「大体は頭に入れて、偶に迷った時に読み直します」
と書くより、動詞・名詞以外はひらがなにしたほうが、だいぶん読みやすいです。
ちなみに「読み直す」の「直す」も本来ならひらがなにすべきですが、
これは自分の好みで、漢字で書いとります。
片付け :片づけ
~して下さい :~してください
何だか :なんだか
~して欲しい :~してほしい
常に :つねに
以上のような語句は、ひらがなで見ることが多いと思います。
見やすい文章のコツ2
単位はそろえる。
1000円なのか1,000円なのか(カンマを入れるか)
1万4000円なのか14,000円なのか(漢字を入れるか)
¥200なのか200円なのか(¥マークにするか漢字か)
1m20cm:1メートル20センチ:120cm:1200ミリ
2000年:平成12年
西暦00年:'00s
このへん、書き方がバラバラだと、読んでるほうはとても混乱します。
見やすい文章のコツ3
漢字かカナか、もそろえる。
「色は2色、赤とブルーが選べます」などと表現するとき、
→「赤と青」もしくは「レッドとブルー」と言ったほうがよい。
※ただし「茶色とピンク」などの場合、ちょっと工夫が必要かもしれません。
「ココアとピンク」? 「茶色と緋色」? どっちもスッキリしない感(笑)
「材料は南瓜、きゅうり、ニンジン、玉ねぎ」などの場合、
→「カボチャ、キュウリ、ニンジン、タマネギ」みたいに、
漢字・ひらがな・カタカナどれかでそろえる。
料理の材料の場合、並列になるのでカタカナにするのがわかりやすい。
例)南瓜、胡瓜、人参、玉葱 ←パッと読めない
かぼちゃ、きゅうり、にんじん、たまねぎ ←地の文と混ざりやすい
例外もあります
「南瓜、胡瓜、人参、玉葱」なんかが、たとえばそれぞれの「野菜の妖精♪」の話として書かれているときなんかは、漢字で書かれていたほうが趣深い場合もあり、
そのへんはニュアンスで!
まとめ
-
動詞・名詞は漢字で。副詞・形容詞はひらがなで。
-
単位はそろえる。
-
漢字かカナか、もそろえる。
こまかな表記をていねいにそろえていけば、きちんとした信頼できる相手だ、と無意識下で相手に印象づけることができます。
とくにセールスライティングなどをしている方には、校正をするかしないかで、かなり結果に差が出るのではないかと感じます。
校正者ほどではないにしても、ブログを書かれる方は、本多勝一さんの日本語の作文技術などを最低限、読んでおくのをおすすめします。